Last Wings 制作後記 #1 コンセプト決め編

こんにちは、raiiです。 G2R2018では「Last Wings」というBMSを出しました。 そのBMSでは3DCGのBGAの制作に初挑戦しました。 これから何回かに渡ってその作品の制作に関する話を書いていきたいと思っています。

去年のBOFU2017に出てから中小BMSイベントにも出ていたのですが、 そこでは割と長調メインの明るい曲を作っていました。 その理由の一つには作ることが比較的楽だからと感じていたというものがありました。 しかし、自分がより作りたい曲はもっとかっこいいものだと思いました。 そこで、G2Rという大きなイベントでBMSを出すからには自分が最もやりたいものを出したいと思っていました。 去年のBOFU2017の「Alcubierre Drive」もそうでしたが、 今年も何かテーマに沿って世界観を重視した曲を制作しようと思いました。

曲のテーマですが、最初は人工衛星をテーマにしようと思っていました。 去年も宇宙関連のテーマだったので今年もそのようなものをやろうと思っていました。 BGAを自分で作るにあたって楽に作れるようなものにしようと考えていて、 定点カメラのような映像であまり動きがないものにできると考えてこのテーマをやろうと思いました。

その少し前ぐらいに「Hacknet」というハッキングをテーマにしたゲームをプレイしていて、 そのゲームの演出がとてもかっこよかったので、 人工衛星をハッキングするという展開も考えていました。 これが8月の初めあたりです。

しかし、その時期に 「レイディアントシルバーガン」や「斑鳩」というゲームの音楽にハマりました。 それらのゲームではオーケストラ系の曲が使われているので、 G2Rの曲もオーケストラ系にすることにしました。 ゲームパッケージを見ると分かるように、 それらのゲームに夕暮れ空のイメージがあったので、 宇宙ではなく雲の上に浮く物体があるということにしました。

前半は暗い雲の中で、後半は開けた夕暮れ空にすれば盛り上がると思い、 空に浮く物体の中に入った後、そこから出たら夕暮れ空という展開を考えました。 また、中に入ったときにエンジンが起動するようなシーンも考えました。

しかし、最後その物体がどういう結末を迎えるかで悩んでいました。 エンジンのシーンで起動した後に物体が自壊するのも不自然だし、 物体が空高く登っていくというのも映像的にあまり映えないと思いました。

そこで、斑鳩の自機や敵は鳥の名前から取られていたり エンディングで鳥が舞うシーンがあることから考え、 BGAに光でできた鳥を出すことにしました。 鳥を光でできたものにしたのは、 鳥を空想的なものだと見せることができ、 テクスチャ作成の必要がなく楽に作れると考えたからです。 空に浮く物体に向かう鳥を出し、 また、空に浮く物体も鳥であると考え、 最後に鳥によって物体が壊され破片一つ一つが鳥に変形するというシーンを考えました。

この展開から考え、 何か絶対的に信仰されているものを壊し、 その信仰の束縛から解き放たれて人々は自由になるが、 頼っていた信仰を失い途方に暮れるというストーリーを考えました。 最初は「Lost Faith」というタイトルでしたが、 オマージュ元の斑鳩に「Faith」という曲があり、 それを否定するようなタイトルにしたくなかったので今のタイトルに変えました。 これが9月の半ばあたりです。

作品のコンセプトとしてはこのあたりで固まりました。

#2 Blender勉強編」に続く...